この男、偽装カレシにつき
「あれ?
この子、確か今朝の…」


えっ、嘘っっ!
大野センパイってば、私のこと覚えててくれたの?!
なんて浮かれているうちに。


「ああ。
付き合うことにしたんだ」


橘センパイがしれっと言った。
いや、言ってしまった。


遅かった…。
これで私は親友のカノジョとインプットされて、大野先輩の恋愛対象外になってしまったのだ。
そう、がっくりうなだれたとき、


「へぇ、そうなんだ。
俺、大野俊介。
よろしくね」


大野センパイのキラキラ笑顔が炸裂した。


知ってます。
出会った翌日から放課後一週間高校に通いつめて、ばっちりリサーチしました。
なんて、危うくストーカーまがいの行為を自白してしまいそうになるのをなんとか思い止まる。
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