この男、偽装カレシにつき
落ち着くのよ、チエ。


当時、橘センパイには好きな人がいたし。
しかも、今のセンパイからは全く想像つかないけど一途だったみたいだし。
ゆえに、アヤさんとは何もなかったハズ。


取り越し苦労だって分かってるのに、私ってば何をこんなに気にしてんだろう。


あれ?
でもアヤさんの片思いって可能性もなくはないか。
女タラシになる前の橘センパイしか知らないなら尚更じゃん!


もしかして…。
私は眉を潜めてアヤさんを見る。


「どうかした?」


アヤさんは、黙りこくった私を見て首を傾げた。
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