この男、偽装カレシにつき
そのとき、アヤさんのケータイの着メロが鳴った。


「ちょっとゴメンね」


アヤさんは髪をそっと掻き上げながらケータイを耳に当てる。
そんな仕草さえオンナらしくて、女子力の差を見せつけられた気分。


「今どこ?
もう着いた?」


どうやら待ち合わせの相手から電話みたい。


「駅前のカフェでたまたま知り合いに会って、お茶してたとこ」


相手に私のことを説明してるみたいだけど…。


って、あれ?
アヤさんのその左手薬指にキラキラ光ってるのって指輪?


アヤさんってカレシいるの?


なんだ。
心配して損しちゃった。
< 217 / 499 >

この作品をシェア

pagetop