この男、偽装カレシにつき
よく考えれば当たり前だ。
こんな美人、周りのオトコが放っておくワケがない。


ようやくホッとした私は、いつの間にか冷め切ったコーヒーを飲み干した。


「あと5分くらいね。
分かった、待ってる」


アヤさんはそう言って電話を切ると、申し訳なさそうに私を見た。


「私、そろそろ行かなきゃ。
もっといっぱい話したかったんだけど…」


「…アヤさんて、カレシいたんですね」


シンプルな服装の中で一つだけ主張してる指輪が目に入らなかったなんて。
どんだけ視野が狭かったのよ、私。
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