この男、偽装カレシにつき
くそぉっ!
カノジョが他の男、しかもかつて片思いしてた相手と相合い傘して帰るって言ってんのに!


ちょっとは心配してくれたっていいじゃんか!
何かあったらどーすんのよ。(あるわけないケド)



「…チエちゃん、顔怖いけど大丈夫?」


帰り道、大野センパイが私の顔を覗き込みながら言った。


しまった!
さっきの橘センパイの言動に腹が立ちすぎて、怒りが顔に出てた!


私としたことが!
せっかく大野センパイと一緒に帰ってるっていうのに、あんなヤツのせいでイライラしてたらもったいなさすぎる!!


「チエちゃんてさ…」


大野センパイが隣にいて、しかも私の名前を呼んでくれるなんて、よく考えたら夢にまで見たシチュエーション。


何を血迷ったか、あんなエロ男に惚れてなければ、今頃昇天してたかもしれない。
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