この男、偽装カレシにつき
「ハイッ!」


弾んだ声で答えた私に、大野センパイは思いもよらない言葉を口にした。


「隼人のこと、すごく好きなんだね」


「ハイィィッ??!!」


いや、まぁ好きは好きだけど。


改めて聞かれると、あんなヤツのこと好きでいいのか疑問が残るっつーか。
大野センパイに聞かれるとちょっと複雑っていうか…。


「前はちょっと嘘かもって思ってたんだ。
もしかしたらチエちゃんは俺のことが好きで、近付くために隼人のカノジョの振りしてんじゃないか…、とか」


大野センパイは相変わらずのキラキラスマイルで、そんなことをしれっと言った。
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