この男、偽装カレシにつき
実はホストクラブみたいなとこでバイトしてんじゃないかと常々不審に思っていた私。


店先の赤提灯を見てホッと一息ついていると。


「さっき、休むって連絡があったって」


首を傾げながら大野センパイが居酒屋から出てきた。


アイツ、人にはバイトだなんて言っといて。
サボって何してんのよ。


まさかどこぞの女と逢い引きしてないでしょうね、なんて膨れた私を見て大野センパイは苦笑する。


ハッ!マズイ。
こんなことで余裕をなくしてたら、また橘センパイにベタ惚れだってからかわれちゃう。


「ここまで来たらついでだし、家まで届けようか」


私たちはセンパイのマンションに向かうことにした。
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