この男、偽装カレシにつき

「だって。
大野センパイは私なんかタイプじゃないって、橘センパイが言ってたし…」


思いがけない大野センパイの言葉にパニクる。


「大野センパイはカッコイイし優しいし、私みたいなのじゃ釣り合わないって言うか…」


自分で言ってて、そんなのは関係ないって分かってる。


だって私は橘センパイのカノジョなわけで…。


「それって、俺のこと悪くないと思ってるってこと？
じゃあOKって思っていい？」


知らなかった。
大野センパイって、結構強引なんだ。


つい最近まで憧れてた大野センパイにそんなふうに顔を覗き込まれると、調子が狂う。