この男、偽装カレシにつき
普通なら、カレシの潔白を信じて否定するとこなんだろうケド。
橘センパイに限っては黒に近いグレー。
というか、むしろ真っ黒と言っても過言ではないかもしれない。


「だよね…」


私はガックリと肩を落とす。


なんせ色気ゼロの私にだって発情するオトコ。
あんな美人と二人きりでいて何もないなんて、天変地異としか思えない。


自分でそう思ってたクセに、純ちゃんにまで言われると、結構キツイや。


「大野センパイにしとけって。
チエでいいって言ってくれるボランティア精神旺盛なオトコ、今逃したらもう現れないかもよ?」


ボ、ボランティアって…。
ていうか、もう現れないって。
毒舌過ぎるでしょ。


「あんだけ好き好き言ってたんだから、願ったり叶ったりじゃん」


…うん。
確かに純ちゃんの言うことは正論なんだけどさ。
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