この男、偽装カレシにつき
「ていうか。
大野センパイが私を気にかけてくれてたなんて、全然知らなかった」


あーあ。
私って、本当にタイミング悪っ。


もっと早く大野センパイの気持ちがこっちを向いてたら、今頃スウィートな高校生活を送れてたのに。


こんなに苦しい思いをすることもなかったのに。


なんてもったいないことしたんだろ。
ため息をつきながら、そんなふうに思ったとき。


「そう?
私は何となく気付いてたけど」


純ちゃんが急にそんなことを言い出したから、


「へっ?」


私は思わず、口からポッキーを落としてしまった。
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