この男、偽装カレシにつき
ナンバーワンじゃなくてオンリーワン
「え?
イブ、バイトなの?」


持っていた映画のチケットがへなっと曲がった。
気がした。



赤点を(なんとか)免れ、約束してたデートの予定を立てようと橘センパイの教室に顔を出したところでまさかのカウンターパンチ。


テストが終わったらどっか行こうぜ、なんて言ってたから、てっきりイブは一緒に過ごせると思ってたのに。


てことは何?
純ちゃんから提供された、この前評判バッチリのラブコメ映画のカップルシートも無駄になっちゃうの?


「諦めろ」


クリスマスの居酒屋なんて、確かに書き入れ時には違いないケド。
普通はカノジョを優先させんじゃないの?


なんて、胸がザワついたとき、


「本当にバイト?」


隣にいた大野センパイがボソッとつぶやいた。
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