この男、偽装カレシにつき
『突然電話してごめんね。
迷惑だって分かってるんだけど…』


どうしたの?
純ちゃんのくせに、しおらしいじゃん。


『朝から体調があまり良くなくて』


何それ、大変じゃん。
ていうか、今龍センパイと一緒じゃないの?
そんでもって、声もいつもと違わない?
風邪??


伝言が不自然で、眉を潜めたとき。
鏡に映ったケータイのストラップが、見慣れたピンクのクマじゃないことに気付いた。


嘘っっ!


慌ててバッグの中を覗くと、全く同じケータイにくっつけられたピンクのクマが、脳天気な顔をしてこっちを見ていた。
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