この男、偽装カレシにつき
横を見ると橘センパイが無愛想な顔のまま、べーっと舌を出してる。


くそーっ、二度目は避けられたか。
侮れない運動神経め。
在籍してるサッカー部はちょいちょいサボってるくせに。


「そう…なんだ」


って、大野センパイ!


ちょっと頬を赤らめないで下さいよ。
私のどこをどう見たら、そんな嘘が信じられんすか。
ちょっとはこのホラ吹きの言葉を疑って下さい。


本当は純真無垢なのに。
ていうか、ショジョなのに。
絶対誤解された。
もうお嫁に行けない…。


私は橘センパイを睨む。


だいたい、こんなヤツとラブいことなんてできるわけないでしょーが!
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