この男、偽装カレシにつき
まままま、まさか!


知らないうちに、私ってばキスされそうになってない?


『目ぇくらい閉じろ』


突然、いつかの橘センパイの声が頭の中に鳴り響いて、私は慌てて目をつむる。


ていうか。
よく考えたら、初カレがヤツだったせいで、アブノーマルなキスしかしたことないじゃん!!


つまり、これが記念すべき初ノーマルキスなのね。


よし、来るなら来い!


なんて、まるでまな板の上の鯉のようにセンパイのキスを待っていると。


トサッ。
背後で何かが落ちる音がした。
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