この男、偽装カレシにつき
「だいたい。
大野センパイみたいな理想的なカレシ、嫌う親なんかいませんって」


確かにさっきの玄関先のキス(未遂)は、カレシいない歴≒年齢の一人娘を持つ父親にとって、ヘビーだったに違いないケド。


「大野センパイは誠実だし。
愛想だって、人柄だっていいし。
無駄に色気を垂れ流してないから爽やかだし…」


私が指折り数えるのを見て、大野センパイは苦笑する。


「―――それって、誰かと比べてない?」


え?


はっっ、しまった!
無意識のうちに、橘センパイと比べて(しかも全否定して)た!
< 338 / 499 >

この作品をシェア

pagetop