この男、偽装カレシにつき
もしあの唯我独尊オトコだったら、お父さんが見てたって平然とキスをぶちかましてたに違いない。


そんなのをお父さんが目撃しちゃったら、新年早々倒れて運ばれてたかもしんない。


あー、大野センパイがカレシで良かった。
ノーマル、万歳。


とはいえ。
無意識のうちに比べてしまうということは、つまりまだまだアイツに未練たっぷりということで。


きっぱり忘れるって誓ったのに、これじゃマズイ。


どうか早いトコ、私の頭の中からあのオトコの記憶がきれいさっぱり消えてくれますように。


パンパン!
神社の本殿の前で。
私はお賽銭をちょっぴり奮発して、そんなことを願った。
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