この男、偽装カレシにつき
確かにちょっとばかし顔はイイけど。
身長も高いけど。
(サボりがちの)サッカー部で鍛えてるから、引き締まったカラダしてるけど。


しまった!
容姿に関してはけなすところがないから、不覚にも褒めちゃった。


「エロい目で見んな。
まだ昼間だ」


私の視線に気付いて、橘センパイは迷惑そうに言う。


そんなふざけたことを言うのはこの口かー!
中ににんじん詰めたろかーー!


見つめてたんじゃないの、呆れてたの。


だいたいそれはこっちのセリフよ。


何なの、その濡れたようにつややかな黒髪は。
緩んだ首元は。
オシャレぶったピアスは。


お昼の高校の学食には、およそ似つかわしくないっつーの!
< 34 / 499 >

この作品をシェア

pagetop