この男、偽装カレシにつき
せっかくの初(ノーマル)デートってときに。
私ってば、何てことを思い出してんのよ!


忌まわしい記憶を消し去ろうと頭をブンブン振っていると、大野センパイが私を見た。


「あのさ、チエちゃん…」


ドキーッ!


まさか、女避けの出番?
モテる男の発想は、みんな一緒なの??


「まままま、待って下さい!
私、女避けはちょっと…」


「えっ?
女避け…?」


大野センパイが首を傾げたのを見て、私は我に返った。


ああ、そうよね。
大野センパイがそんなこと言うわけなかったわ。
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