この男、偽装カレシにつき
そういえば。
橘センパイの顔をじっくり見るの、久しぶりだ。


熟睡してると分かって、私は安心して窓からヤツを眺める。


橘センパイって、いつもはあんな大人びてクール気取ってるくせに、目を閉じた顔は結構幼いんだよね。


睫毛バッサバサだし、肌キレイだし。
相変わらず、天使みたいな寝顔(口を開いたら悪魔だけど)。


つーか。
いくら人の寄り付かない裏庭とは言え、そんな無防備で寝てていいの?


取り巻きに見つかったら大変なんことになるんじゃないの?
他人事ながら、そんな心配が頭を過ぎったとき。


案の定、橘センパイは一人の女生徒に見つかってしまったようだった。
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