この男、偽装カレシにつき
ほうら。
言わんこっちゃない!!


なんて溜め息をつきながら成り行きを見守っていると。


その女子生徒に見覚えがあることに気付いた。


あれって。
隣のクラスのギャルじゃん!


いつぞやは、よくも私を突き飛ばしてくれたわね。


アンタが付けてくれた足跡のせいで、少ないお年玉の中から新しい財布代を捻出しなきゃいけなかったんだから!


なんて私の怒りが届くはずもなく。
ギャルは隣にペたりと腰を下ろすと、ゆっくりと髪を掻き上げながらセンパイに顔を寄せる。


ちょ、ちょっとーっ!
何するつもり?!


私は窓に張り付くようにして、二人を見つめる。
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