この男、偽装カレシにつき
まままま、まさか!
キスする気っっ?!


ギャルの顔が、ゆっくりと橘センパイに近付いてゆく。


ちょっと待ったーっっ!
寝込みを襲うのは反則でしょうが!


しかも橘センパイってば寝起きが悪いから、いつぞや私にしたように寝惚けて抱きつきでもしたらシャレにならないわっっ!!


私は慌てて窓を開けて体を乗り出す。
そして視線は橘センパイたちに向けたまま、純ちゃんに手を伸ばした。


「純ちゃん!
何か、投げていいもの渡して!」


「は?
投げていいもの?」


「いいから、早くっっ!」


私の慌てっぷりに、純ちゃんは不審がりながらも、ようやく何かを手渡す。


ナイス純ちゃん!!


私はそれを掴むと、一思いに窓の外へ放り投げた。
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