この男、偽装カレシにつき
「もちろん、チエの」


やっぱりかーっっ。
悪びれもせずに即答する純ちゃんに、私はがっくりうなだれる。


ああ、そう。
私のバッグは純ちゃんの中では投げていいものに分類されるのね。


ていうか。
このまま、しらばっくれるつもりだったのに。


スクールバッグなんか落としちゃったら、拾いに行かなきゃいけないじゃん!


どうかまだ寝てますように。


なんて祈りながら、階段を駆け降りて裏庭に出ると。


そんな願いもむなしく、完全に覚醒した橘センパイがゆっくりと私に目をやった。
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