この男、偽装カレシにつき
「言われなくても帰りますっっ!
これから大野センパイの家に行く予定だし」


ゲームする約束なんだから、こんなとこで橘センパイと話してる暇なんてないんです。
そう言おうとしたとき。


「へぇ。
お前、俊介とはヤれるんだ…」


橘センパイがぽつりと言った。


「ヤれるって、何を?
ゲーム??」


なんて私が首を傾げるのを見て、橘センパイは溜め息をつく。


「お前らのゲーム事情なんか興味あるか。
俊介には随分簡単に処女をやるんだな、って言ったんだ」


なんだ。
縁がなさすぎて思いもよらなかったわ。
…じゃなくて。


「ええええーっっ!?」


ズサササッ。
あまりの衝撃に、私は叫びながら3メートルほど後ずさった。
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