この男、偽装カレシにつき
「色気ゼロでも、貧乳でも、十人並みでも、アイツはお前に惚れてんだろ?」


って、おーいっ!


確かに自分で色気がないとは言ったケド。
何か、だいぶ付け足されてるんですケドーっっ!!


あまりの言われように、大野センパイが惚れてるってくだりさえ素直に喜べないわっっ!


なんて思わず突っ込もうとした瞬間。


「好きな女を前にしたら、理性なんて簡単にふっ飛ぶんだよ」


橘センパイの漏らした一言が、私の胸に鋭く突き刺さった。


だって。


センパイが誰のことを言ってるのか、手に取るように分かってしまったから。
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