この男、偽装カレシにつき
何が起こったのか、理解できなかった。


じわじわと頬が痺れていくにつれて。
橘センパイに叩かれたんだと自覚はするものの、どうにも信じられない。


だって。
橘センパイはいつも冷たい態度で憎まれ口ばっかり叩いてたケド。
なんだかんだ言って結局いつも優しかったし。


私がどんなにケンカを吹っかけても。
あんな愚かなことをしてしまったイブでさえ。
私に手を上げることはなかったじゃない。


なのにどうして?
どうして今、センパイはそんな目で私を睨むの?
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