この男、偽装カレシにつき
「まぁ。
せいぜい、俊介とよろしくやれよ」


橘センパイは立ち去り際に、私の頭に何かを載せた。


「何ですか、これ…」


よろしくやれ、だなんて。
柄にもなくそんな優しいこと言われたら、せっかくの決心が鈍るじゃん…。


なんてしんみりしながらそれを見た瞬間。
ピシッ。
私の体が固まった。


この、丸くって、ちっちゃくて、何やら見覚えがあるコレはまさか。
ゴゴゴゴ、ゴムっっ?


「い、いりませんよ!
こんなのーっ!!」


私は叫びながら、慌てて突き返した。
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