この男、偽装カレシにつき
大野センパイは制服の襟を緩めると、Yシャツを乱暴に脱ぎ捨ててた。


きれいな鎖骨とたくましい胸板を目の前にして、私は真っ赤になった顔を慌てて背ける。


ダダダダ、ダメだ。


男の人の裸を見たことなんて、(幼なじみのケンちゃんを入れたって)まだ数えるほどしかない私には刺激が強すぎる。


「どうしたの?」


直視できない私を不審に思ったのか、大野センパイが私の顔を自分に向かせる。


「ごごごご、ごめんなさいっ。
私、こういうことするの、初めてで。
めちゃくちゃ緊張しててっ」


真っ赤な顔でそう訴えた瞬間。


「え…?」


大野センパイの動きが止まった。
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