この男、偽装カレシにつき
あれ?
何か変なこと言った?


私を組み敷いたまま、突然動かなくなった大野センパイに、私は動揺を隠せない。


よりによって今日も、あの忌ま忌ましいイチゴの綿パンを穿いてきてしまった…、わけではない。


はだけかけたスカートのジッパーから覗くピンクのレースを確認して私はホッと息を吐く。


じゃあどうして?
まさか私って、その気が喪失するくらい色気ない?


無言で私を見つめるセンパイを前に、モヤモヤと考えを巡らせていると、


「初めて…?」


大野センパイは眉を潜めながら、ぽつりとつぶやいた。
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