この男、偽装カレシにつき
でも、どうして?
さっきまで、いいムードだったじゃん。


「あー、腹立つ。
不甲斐ない俺と…。
煮え切らないチエちゃんたちにね」


大野センパイは私の顔を見ながら、もう一つ大きなため息をついた。


え…?


不甲斐ないってのが、エッチを寸止めでやめてしまったことを指すとして。


煮え切らない私『たち』って。
私と、もう一人は誰のこと?


その言葉の意味が分からず戸惑っていると、


「あの隼人が。
毎晩のように女の子を取っ替え引っ替えしてたアイツが。
チエちゃんには手を出さなかったってことが、どういうことか分からない?」


大野センパイは声を荒げて言った。
< 428 / 499 >

この作品をシェア

pagetop