この男、偽装カレシにつき
それは青天の霹靂というか。
はたまた寝耳に水というか。


とにかく予想だにしなかった言葉に、私の思考回路はショート寸前。


「アイツに振られたって言ってたけど。
本当にアイツが言ったの?
まだ雪乃が好きで、忘れられないって」


「…」


私は首を振る。


思い返せば、直接聞いたわけじゃない。


センパイの口から語られる雪乃さんは、ただの元カテキョで。
ちょっと(イヤ、だいぶ)抜けたT大卒ってことだけ。


私に嘘ついて雪乃さんと会ってたり、雪乃さんからの電話に駆け付ける姿を見て、まだ未練があるんだと信じて疑わなかった。
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