この男、偽装カレシにつき
「何してんの。
早くアイツに会いに行きな」


大野センパイはそこまで言ったあと、視線を逸らして続けた。


「ていうか、お願いだから早く行って。
好きな子が目の前でそんな格好してると、さすがに俺もヤバイ」


ヤバイ?


センパイに言われて自分の姿を確認した私は、思わず目を見開く。


しししし、しまったーっ!
はだけっぱなしの胸元から、ブラが見えてるーっっ!


ろくでもないものを見せてしまった!
これじゃセクハラだっつーの!!


「し、失礼しましたっっ!」


もたつきながらも、ボタンを閉じ終えると。
大野センパイは私を玄関まで引っ張って行った。
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