この男、偽装カレシにつき
「それにしても。
隼人が特定の彼女を作るとはね」


お兄さんは甘ったるいコーヒーを飲みながら言った。


まさか、私と橘センパイが既に別れてるなんて夢にも思ってないみたい。


だけど無理ないか。
普通、別れたオトコの家(しかも本人は留守)にこんな堂々と上がり込まないもんね。


「しかも、バイト代をつぎ込むくらい入れあげるなんて。
正直、今もまだ信じられないよ」


「へっ?」


今、何て言った?


「バイト代…?
つぎ込む…??」


身に覚えのないワードに眉をひそめた私を見て、お兄さんは不思議そうに言った。


「あれ?
アイツから貰ったでしょ、指輪」
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