この男、偽装カレシにつき
大変っっ!!


私は慌ててスクールバッグを開けて、内ポケットを探る。


だけど。
そこにはケータイにくっついたマヌケな顔のクマが私を見つめるだけで、指輪の姿はどこにもない。


何で?


まだ捨てられそうにないから、とりあえずここに入れておいたのに。


そのとき、ハッと思い当たる。


そうだ!
私ってば、今日の放課後。
裏庭で爆睡してる橘センパイをギャルの魔の手から守るため、2階から口全開のままバッグを放り投げたじゃん!!


きっとあのとき落としたんだ!
< 445 / 499 >

この作品をシェア

pagetop