この男、偽装カレシにつき
なななな、なんつータイミング…。


その視線が私を捕らえると同時に、


「お前。
ここで何やって…」


橘センパイは、みるみる眉間に皺を寄せていく。


ですよね。
別れた元カノが自分の留守中に家に上がり込んでたら、そりゃ驚きますよね。


「えっと…」


どうしよう。
言わなきゃいけないことは、たくさんあったはずなのに。


動揺のあまり、頭が真っ白になる。


橘センパイは黙りこくった私を通り越して、後ろにいたお兄さんに目を止めた。
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