この男、偽装カレシにつき
な、何よその反応。


「だって…。
バイトだって言いながら、雪乃さんを家に連れ込んでたじゃん!
イブだって、私を放って雪乃さんの元に駆け付けたじゃん!!」


私はセンパイのその行動で、めちゃくちゃ傷付いたんだから。


お兄さんの婚約者とか、そういうことじゃなくて。
センパイにとって雪乃さんがどういう存在なのか、説明してもらわなきゃ納得いかない。


なんてまくし立てた私に。
センパイは盛大にため息をついた。


「安定期入るまでは、用心するに越したことはねーんだよ」


「な、何の話よ」


センパイと雪乃さんが安定期だろうと倦怠期だろうと、私には関係ないんですけど。


「分かんねぇヤツだな…。
アイツの腹にはガキがいんの。
兄貴が仕事で海外飛び回ってるもんだから、留守の間は俺が代わりに面倒みるよう頼まれてんだよ」
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