この男、偽装カレシにつき
「お前、俊介に触らせてないだろうな」


センパイの長い指が、私の頬をそっと撫でる。


ゾクッ。
というか、ギクーッッ!!


「まままま、まさかっ!!」


マズイ!
半裸の大野センパイに抱きしめられた上に。
ディープなキスまでされたなんてバレたら、殺されるっ!


「そそそそ、そのような事実は一切ございませんっ」


「…」


沈黙が心臓に悪い。


でも、本当にそれ以上は何もなかったんだからねっ。


「じゃあそのキスマークは何だ」


「嘘っっ!」


しまった!
キスマークは完全に盲点だった!
なんて慌てて首筋を隠した瞬間。


「おいコラ!
やっぱり触らせてんじゃねーか!」


センパイの額に青筋が浮かんだ。


しまった!
乗せられたーっっ!
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