この男、偽装カレシにつき
「ぁあ?!
まだ何かあんのかよ」


センパイは不機嫌さマックスで睨み返すケド。
どうしても確かめておきたいの。


「私のこと、本当に好き?」


だって。
いつも憎まれ口ばっかりで。
一度も『好き』って言ってくれないじゃん。


「じゃなきゃこんなことしねーよ」


って。
アンタほど、その言葉に説得力のないヤツはいないわっっ!
なんて、火に油を注ぎそうだから黙っておくとして。


「でも、私のどこを好きになってくれたの?
だって、人違いで告白した上に。
密室に閉じ込めるわ、風邪は引かせるわ。
ろくなことしなかったじゃん」


私の言葉に、センパイはぶはっと吹き出すと。


「…前にも言ったろ。
敢えて言うなら、電車の扉に膝を挟んだとこだって」


苦笑しながらそう言った。
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