この男、偽装カレシにつき
なななな、何が起こってるの?
本当にコイツ、橘センパイ?
背後に龍センパイが隠れて、操ってんじゃないの?(そんなわけないだろ)


「いつも悪口ばっかなのに。
こんなときだけ甘い言葉を連発するなんてズル…」


真っ赤になった顔で、何とかそう口にすると。


「知ってるだろ。
俺は甘党なんだよ」


センパイは不敵な笑みを浮かべる。


「…ベッドの中もな」


べべべべ、ベッドの中もって…!


「ひゃっ…」


体を駆け抜ける、今まで経験したことない感覚に。
『歩くエクスタシー』の異名はダテじゃないと、思い知らされながら。


センパイに手取り足取り…。
いや、腰まで取られて。


成海チエ、16歳は。
今夜めでたく、ミッションをコンプリートしたのだった。
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