この男、偽装カレシにつき
「なななな、何言って…!」


コ、コイツ。
昨日はあんなに甘い言葉を囁いて、あんなに優しく触れてくれたのに。


たった一晩で、いつもの毒舌エロ男に逆戻ってるっ!


昨日のはまさか夢?幻??


これからスウィートな高校生活が待ってると思ったのは思い違いで。
結局、コイツに振り回される日々が待ってるなんて、ゴメンなんですケドーっ!!


なんて、早くも昨日の決断を後悔し始めたとき。


「チエちゃん、本当にいいの?
そんなヤツで」


後ろから聞こえてきた声に、胸がキュンとなる。


そ、その心が洗われるような穏やかな声は…。


振り返ると、(誰かさんと違って)今日も爽やかな大野センパイが苦笑しながら立ってる。
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