この男、偽装カレシにつき
「そんな冷たい男はやめて。
やっぱり俺にしとけば?」


まさに今、私もそう思ったとこです!
なんて、半ば本気で頷きかけたとき。


「ふざけんな」


橘センパイが私の肩を強引に抱き寄せた。


ボフッ。
学ランに押し付けられたせいで、一瞬にしてセンパイの香りに包まれる。


「人のものに手ェ出してんじゃねーよ」


橘センパイは私を抱き寄せたまま、不機嫌極まりない顔で大野センパイを睨む。


『人のもの』って…。
それって独占欲?
それって嫉妬?!
それって私にフォーリンラブってこと??!!


ボボボボッ!!
私の顔が一気に赤らむ。


やややや、やっぱり。
昨日のは夢じゃなかったみたい。
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