この男、偽装カレシにつき
ホッとしたのも束の間。
橘センパイは、続けて私を睨む。


「お前も、別れた男に色目使ってんじゃねーよ」


い、色目っっ?
見てただけじゃんっ!


ていうか。
そんなもん、使ったことないっつーの!


「だいたい、昨日の夜はあんなにヨガッてたくせに。
他の男を見ようなんて、百年早ぇんだよ」


ブーッ!!
センパイの言葉に、隣のテーブルの男子高生Aが飲んでた水を吹き出す。


ちょっとーっっ!
ヨ、ヨガッてたって…。
周りに丸聞こえのボリュームで、何を暴露してんのっっ!!


さっき笑ってごまかしたのが台なしでしょーが!


しかも純ちゃんも、龍センパイも!
お願いだから、その『チエも結構好きだったんだ』って目で見るのはやめてっっ!!
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