この男、偽装カレシにつき
誰もいない、昼休みの保健室。

センパイは一番奥のベッドの脇に私を立たせると。
シャッ。
無言のまま、カーテンを閉めた。


ここに来るのは、バービーに水をかけられたあの日以来。


あのとき私たちを仕切っていたカーテンの内側に、二人で入る日が来るなんて想像もしてなかった。


ドッキーン!


目が合った途端、その目ヂカラに圧倒されて、思わずベッドに腰を下ろす私。


しまったーっ!
これじゃまるで、襲って下さいって言ってるようなもんじゃんっっ!


ギシッ。
センパイが私の横に手をつくと、スプリングが軋んで音を立てる。


ギャーッッ!
仮眠取るだけだって言ったクセにーっっ!
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