この男、偽装カレシにつき
じゃあ何か?


最近、クラスメイトの女子に話しかけても無視されることが多いなー、なんて感じてたのも。
新品の上履きが知らないうちに土で汚れてたのも。
クラス全員が提出したノートのうち、私のだけが紛失したのも。


全部センパイ絡みだったってこと?


くそおっ。
私の平穏な高校生ライフを返せーっ!


「それだけやられてて、どうして今まで気付かなかったのか不思議だわ」


純ちゃんはそう感心したように言う。
くそおっっ、完全に他人事だと思ってるわね。


「あの橘隼人と付き合うことにした自己責任よ。
せいぜい、夜道は背後に気を付けることね」


ちょっとーっ!
そんな恐ろしいことを淡々と言わないで。
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