この男、偽装カレシにつき
でも純ちゃんの言うことは本当だ。


私は未だに納得いかないけれど、あの迷惑ヤロウのモテ度はハンパない。


その上、センパイは今まで誰一人としてカノジョというポジションは作らなかった、ときた。


偽装とはいえ、周りから見ればれっきとしたカノジョなんだから、こんな嫌がらせはこれからもたくさん受けるんだろうな…。


想像しただけで気が重っ。


「でも、なんだかんだ言って、純ちゃんは側にいてくれるのね」


やっぱり持つべきものは親友だわっ。
なんて私が抱き着こうとしたとき、純ちゃんはぴしゃりと言い放った。


「私に被害が及ばない限りはね」


ううっ、そうくるか。
なんてエゴイストなやつだ。
< 55 / 499 >

この作品をシェア

pagetop