この男、偽装カレシにつき
美、美人…!


立っていた美人に、私は思わず目を奪われてしまった。


顔は嘘みたいに整ってて、スタイルもいい。
巻き髪もゴージャスで、まさにバービー人形の実写版って感じ。


その口ぶりから判断するに、どうやら彼女は橘センパイと親しい間柄なようだ。


「隼人に平凡な彼女が出来たって噂聞いたから見に来たけど。
噂で聞いてたより美人じゃない」


嫌な予感がしてバービーを見ると、案の定、視線の先には純ちゃんがいる。
どうやら私と純ちゃんを勘違いしてるようだ。


「女の趣味がおかしくなったのかと思って心配したわ」


我ながら散々な言われよう。
ていうか、巷では私はどんだけ低評価なのだろうか。


「ちげーよ。
こっちの、噂通りの平凡な方」


橘センパイが余計な付け足しをしたせいでバービーの視線が私を向く。
すると、私の顔を見るやいなや、彼女は大きな目をさらに見開くと。


「冗談でしょ。
本気でそんなつまらない子と付き合ってるの?」


呆れたように声を上げた。
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