この男、偽装カレシにつき
「お前みたいな奴、飽きたんだよな。
もう話しかけないで」


よっ!
出ました、毒舌!
その痛烈なカウンターパンチに、私は思わず心の中で野次を送る。


さすがのバービーも怯んだようで、ぐっと唇を噛み締めてセンパイを睨んでる。


でもお姉サマ、これがこの女タラシの正体ですよ。
顔は天使でも、人当たりは悪魔なんです。
こんなヤツと関係が切れて、むしろ良かったんじゃないですか?


私がそうやって、まるでお昼のワイドショーを見るように二人の会話を聞いていたとき。


パシャッ。
バービーはテーブルの上にあった水を私にぶっかけた!


ええええー!
私は呆気にとられる。
自分の濡れた髪に、制服に、頭が付いていけない。


ちょっと待ってよバービー。
水かける相手、間違ってない?


かけるのはむしろ、あなたを弄んだこの女タラシの方じゃないんですか?
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