この男、偽装カレシにつき
「え…?」


気付けば、橘センパイの学ランが私の惨めな姿をすっぽり隠していた。


一瞬にしてセンパイの甘い香りに包まれる。


「もう少しマシな女だと思ってたよ。
つまらないのはお前の方だ」


その言葉に挑発されたのか、バービーは別のコップを掴むと、今度は橘センパイにコップごと投げ付けた。


バシャッ。
コップはセンパイの頬に当たり、センパイは私同様にびしょ濡れになってしまった。


うわ、そこまでやるんだ。
バービー、敵ながらアッパレなヤツ。
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