この男、偽装カレシにつき
「これ以上コイツに逆恨みするなら、俺も黙ってないから。
覚悟しといて」


橘センパイはバービーにそう言い残すと、私の腕を掴んで立ち上がらせる。
そしてそのまま私を学食から連れ出した。


私は学ランで隠れてるからいいものの、ワイシャツ一枚で水をかぶったセンパイはいい晒し者。


すれ違う人全てがセンパイを驚いた顔で振り返っていく。


「…見せ物じゃねーんだよ」


橘センパイは舌打ちするけど、それは無理な相談でしょ。


もともと、じっとしてたって注目浴びるような容姿のヤツが、髪は濡れて、ワイシャツからは肌が透けてるんだもん。
そりゃ誰だって目を奪われるっつーの。


私だって目のやり場に困るっつーか、なんつーか…。
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