この男、偽装カレシにつき
「の、覗かないで下さいよね!」


私はジャージを抱えてベッドの横に立つと、シャッとカーテンを閉めた。


「お前覗くほど餓えてねーよ」


そうでしょうとも。
アンタのその乱れきった性生活のせいでこんなびしょ濡れになって、着替えなきゃならないハメになったんですからね。


私はカーテンに背を向けて服を脱ぎ出す。


うわー。
上着もブラウスもぐっしょり。


あ、でもブラはセーフ。
助かった!
私が下着姿になった瞬間、カーテンの向こうから橘センパイの声がした。


「おい」


ビクーッ!!
このヘンタイ、とうとうヤキが回ったのかしら。
まさか、貞操の危機?なんて身構えたとき。


「悪かった」


センパイは思いもよらない言葉をつぶやいた。
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