この男、偽装カレシにつき
「あの、間違ったって言うか。
全然私のタイプじゃないっていうか…」


「…お前、ケンカ売ってんのか」


フォロー(?)しようとすればするほど深みに嵌まっていく悪循環。


橘センパイの額にうっすら青筋が浮かんでいくのが見えるのは気のせいではあるまい。


やってしまった。


いや、初めからやってしまってたケド。
慌てるととんでもないことをしでかしてしまうクセが、よりにもよって、こんなところで出てしまうとは。


まずい、絶対怒られる。


そしてこの失態はこの男の口から大野センパイにチクられて。


私は告白相手を間違えた残念な奴、というバカげたレッテルを貼られ。


そんでもって、この恋が実ることは未来永劫ないんだ、と嘆きかけたとき。
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